【どんな許可が必要?】個室居酒屋を開業したい

【どんな許可が必要?】個室居酒屋を開業したい

行政書士が解説

1.個室居酒屋に許可や届出は必要なのか?

①個室居酒屋とは

個室居酒屋は、各グループごとに仕切られた個室で食事や飲み物を楽しめる居酒屋です。プライバシーが保たれるため、カップルや友人、家族での利用に人気があります。

また、ビジネスの接待や会議を兼ねた食事の場としても利用されることが多いです。

個室の種類は、2名用の小さな部屋から大人数対応の広い部屋まで多岐にわたり、リラックスした状態で滞在時間が長くなりやすいため、一人当たりの客単価が高くなりやすいのも大きなメリットと言えるでしょう。

そのような個室居酒屋を開業するためにはどういった許可が必要なのでしょうか?

②個室居酒屋の法的な立ち位置
ポイント:飲食店営業許可と深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要

深夜0時以降に酒類をメインで提供する飲食店は、管轄の警察署に「深夜酒類提供飲食店営業(深酒営業許可)」の届出が必要です。

ただし、ラーメン屋やファミレスなど主食をメインとする飲食店は届出不要です。居酒屋は酒類提供が目的のため、食事メニューが多くても届出が必要と判断されることが多いです。

また、当然ながら飲食物を提供するため、飲食店営業許可も必要です。

ポイント:個室面積にも注意

深夜酒類提供飲食店の場合には、個室面積にも制限があります。
詳細は下記で解説していますので、ご確認ください。

2.個室居酒屋に必要な許可や届出

①飲食店営業許可
ポイント:飲食店であれば必須

飲食店営業許可は、通常の飲食店を開業するために必要なもので、保健所から許可証を取得すれば、店舗で調理した料理の提供や、午前0時までの酒類の提供が可能となります。

複数の店舗を別の場所で開業する場合は、それぞれの店舗で個別に申請が必要です。

ポイント:飲食店を開業する流れとは
飲食店を開業する流れ
  1. 飲食店の許可要件の確認と事前相談
  2. 申請書類を提出する
  3. 保健所による立入検査
  4. 許可証を受け取る
  5. 消防署に防火管理者を届け出る
  6. 営業開始

飲食店を開業する流れは上記の通りです。
もう少し詳細を知りたい場合には、下記の記事で解説していますので、ご覧ください。

詳細はこちらから
②深夜酒類提供飲食店営業開始届
深夜営業でお酒を提供するのであれば必須
ポイント:深夜酒類提供飲食店営業届=深夜営業許可

深夜営業許可とは正式な名称ではありません。
「深夜酒類提供飲食店届」というには長すぎるので、「深酒」や「深夜営業許可」ということがあります。

午前0時から午前6時までの間に酒類を提供している飲食店は、管轄の警察署への届出が必要になります。

ポイント:深夜酒類提供飲食店の届出が必要になるのは

具体的には、下記の二つの点どちらにも該当する場合には、深夜酒類提供飲食店営業開始届を管轄の警察署に提出する必要があります。

  • 深夜0時以降にお酒を提供する場合
  • お酒の提供がメインの営業形態となる場合

これらの届出を提出しないまま営業すると、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

深夜営業の届出は、店舗の営業形態によって異なることもあり、単に深夜に営業しているだけでなく、酒類を提供している飲食店が対象となります。

ポイント:主食が“料理(食事)であるか”“酒類であるか”で判定

該当する例

  • BAR
  • スナック
  • 居酒屋
  • 小料理屋
  • 焼き鳥屋
  • おでん屋

など

該当しない例

  • 中華料理店
  • 寿司店
  • 牛丼屋
  • レストラン
  • ラーメン屋
  • おでん屋

など

「深夜酒類提供飲食店」に該当するかどうかを自分で判断するのは避け、必ず所轄の警察署もしくは専門の行政書士に確認を依頼するようにしましょう。

注意:個室居酒屋で深夜営業する場合は個室面積に制限あり
ポイント:各個室の面積が9.5㎡(約5.2畳)以上必要

9.5㎡は約5.2畳ほどの大きさです。

深夜に営業する個室居酒屋では、各個室の面積を9.5㎡以上にすることが必須で、見通しを妨げる1m以上の仕切りを設けることも禁止されています。

そのため、9.5㎡以上の個室であっても仕切りを設けて区切ることは禁じられています。場合によっては、仕切りによって2室と見なされ、面積基準を満たさないと判断されることもあります。

ポイント:居抜き物件などで9.5㎡未満の個室がすでにある場合

9.5㎡未満の個室がある場合は、深夜帯にその部屋を使用しないなどの措置を取れば届出は可能です。これらは地域によってルールが変わる可能性がありますので、事前に警察署などに確認するのが良いでしょう。

また、5㎡未満の個室がある場合、風営法3号営業の「区画席飲食店」として許可申請が必要になることがあります。だからと言って、許可を取得すると18歳未満の立ち入りや深夜営業が制限されるため、9.5㎡以上の基準を守るほうが経営上有利でしょう。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出について詳しく知りたい方が下記の記事をご覧ください。

詳細はこちらから
③消防手続き

飲食店を開業する際には消防の手続きも必要です。

例えば、店舗全体の収容人数が30人を超える場合、「防火管理者」の設置が必要です。この収容人数は従業員の人数も含まれます。

具体的には、以下の書類を管轄の消防署に提出します。

  1. 「防火対象物工事等計画届出書」
  2. 「防火対象設備使用開始届」
  3. 「火を使用する設備等の設置届」
  4. 「防火管理者選任届」

届出のタイミングは、申請する書類によっても違いますが、店舗の使用開始の7日前までに、消防署長への届出が必要とされているものもあるので注意が必要です。


4.まとめ

以上、個室居酒屋の開業について解説しました。

ポイント:申請は慣れていないと時間がかかる申請です

風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。

ただでさえ許可が下りるまで55日間かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。

ポイント:開業の準備をしながら申請ができるでしょうか?

その間、
・お店の内装工事のお打ち合わせ
・ホームページやSNSでの集客の対応
・キャストの募集

など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか?

ポイント:風営法は厳しい法律です。

さらに風営法は厳しい法律です。無許可で営業を行なったり、不正手段で許可を取得した場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金もしくはその両方が課されます。
一度違反行為をしてしまうと風営法の欠格事由に該当し5年間新規申請ができなくなってしまいます。

そんなお悩みを持つあなたの代わりに当事務所が全て申請を代行いたします。

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