【風営法・深夜営業許可】図面を書くときにはここをチェック
【風営法・深夜営業許可】図面を書くときにはここをチェック
1.風営法許可・深夜営業許可に必要である図面
キャバクラやスナックなどの接待を伴う社交飲食店や、雀荘などの麻雀店を開業するためには、風俗営業許可を取得する必要があります。
また、BAR(ガールズバーやコンセプトカフェを含む)などを開業するためには深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店届出)を取得する必要があります。
許可や届出を取得する際に必ず必要になってくるのが、営業所の図面です。
図面作成こそ、申請の肝であり、尚且つ鬼門でもあるでしょう。それだけ図面を作成するのに慣れていないと、時間が取られてしまったり、何度も再提出が必要になってしまいます。
今回はそんな図面を作成するのに必要なポイントを解説していきます。
2.図面作成のポイント
ポイント:図面作成は手書きでもOK
図面作成は手書きでもエクセルでもCADで書いても問題ありません。
極端な話ですが、分かれば良いです。
ポイント:風俗営業許可申請の場合には実地調査が行われる
実地調査を略して実査と言います。
「実査」とは、申請内容と店舗が一致しているか確認するため、申請後に警察が店舗を訪問する重要な検査です。
実査は風俗営業許可申請の場合のみ行われます。
- 風俗営業許可
- 実地調査あり
- 深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店届)
- 実地調査なし
検査は申請から2~4週間後に行われ、店舗が営業できる状態でなければなりません。飲食店営業許可とは異なり、工事道具が残っていたり、クロスが貼られていない、家具が揃っていないなど、未完成の状態では許可が下りません。
申請した内容や図面通りになっているかどうかを現地に警察の方が確認にきます。
実査についての詳細は過去の記事で記載しておりますので、下記からご覧ください。
①平面図・配置図
平面図や配置図は、どこが営業所の範囲なのか、どこが客席なのか、どのように家具が配置されているのか、部屋数がいくつあるのかなど、営業所の全体図を把握できるような図面のことです。
ポイント:家具の数は正確に
より正確なものを作るに越したことはありませんが、寸法が多少ずれていたり、誤差があったりしていても内容が把握できればOKと判断されるケースが多いです。
ただし、各部屋の位置や家具の位置、そして数量は正確に図面に記入するようにしましょう。
②求積図
求積図は
- 全体の面積
- 営業所面積
- 客室面積
を計算するために必要な図面です。
ポイント:申請書に記入する面積と一致する必要がある
許可申請書には、下記のように営業所の面積や客席の面積を記入する箇所があります。
その面積をどのように計算したのかを確認するために提出が必要な図面となります。
当然ですが、図面上で計算した面積と申請書類に記入する面積は一致させる必要があります。
ポイント:平面図の寸法は内寸で計測する
工事業者の人が作った図面を提出すればOKと考えている方が多いのですが、その場合には注意が必要です。平面図や求積図などは内寸での表示をする必要があるからです。
一般的な平面図は壁芯からの距離を記載している場合が多いです。
風営法許可に必要な図面は、内寸(内壁から内壁までの距離)を記載する必要があります。いわば実測の距離です。
そのため、基本は現地の測量を行う必要があります。
慣れていないとかなり大変です。
行政書士に依頼すると申請書はもちろん、測量、図面の作成まですべて対応してくれます。
当事務所にご依頼することも可能ですので、ぜひお気軽にお声掛けください。
ポイント:客室が2室ある場合には注意
客室を2室以上にする場合は1室の床面積を16.5m2以上にする必要があります。
ただし、客室が1室の場合には、該当しません。
(構造及び設備の技術上の基準)
第七条法第四条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める技術上の基準は、次の表の上欄に掲げる風俗営業の種別の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定めるとおりとする。一 客室の床面積は、和風の客室に係るものにあつては一室の床面積を九・五平方メートル以上とし、その他のものにあつては一室の床面積を十六・五平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(e-GOV法令検索より引用)
上記の内容は申請図面を書くときにというよりかは、お店の出店場所を決めるときや、工事をする前に、確認しておかないと、許可が下りないということになりかねないので、必ず注意しましょう。
③立面図
立面図とは家具やカウンター、間仕切り、植栽など客席の見通しを妨げてしまいかねない設備の寸法を記載する図面です。
ポイント:見通しを妨げる家具や植栽を置くのはNG
見通しを防ぐような家具や植栽を置くのはNGです。
風営法では、客室内において高さ1m以上の仕切りや壁が視界を遮り、店内の見通しを妨げるような配置は禁じられています。
これらの視界を遮るものは、仕切りや壁に限らず、ソファや椅子などの家具なども同様です。この基準に該当するものがないか、目視やメジャーを使って厳密にチェックされます。
具体的に1mを超えてはいけないものの代表例としては下記のものが挙げられます。
- 椅子
- テーブル
- カウンター
- 棚
- 植木
- 観葉植物
- パーティション
など
これらの家具の寸法がわかるように、立面図を添付する必要があります。
④照明・音響設備の配置図
照明や音響設備がどこに配置されるのか図面で表します。
下記の図面は寸法線や配置図・求積図なども兼用となっている図面ですが、それでも構いません。
図上で表す場合にはそれぞれの照明がどのマークなのか記載しておくようにしましょう。
ポイント:照明・音響の数量が正しいか注意
照明や音響の配置図を書く際に注意が必要なのはその数量です。
照明であればダウンライトやシャンデリアなどの数
音響であればスピーカーやモニターなどの数
が実際の配置と合っているかどうか確認するようにしましょう。
ポイント:照明にスライダックススイッチがある場合には注意
風俗営業の店舗では、照明の明るさに明確な規定があるため、調光機能を持つスライダックススイッチを使用する場合は注意です。
風俗営業許可を得るためには、部屋の明るさが5ルクス以下にならないようにしなければなりません。
居抜き物件により調光できる機能が付いているスイッチの場合には、物理的に調光できないようにするなどしなければなりません。
新装や改装する場合に新たにスライダックススイッチを取り付ける場合には、内部の設定で5ルクス以下の明るさにならないようにしなければなりません。
3.まとめ
以上、風俗営業許可や深夜営業許可に必要な図面に関しての注意点について解説しました。
ポイント:申請は慣れていないと時間がかかる申請です
風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。
ただでさえ許可が下りるまで55日間かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。
ポイント:開業の準備をしながら申請ができるでしょうか?
その間、
・お店の内装工事のお打ち合わせ
・ホームページやSNSでの集客の対応
・キャストの募集
など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか?
ポイント:風営法は厳しい法律です。
さらに風営法は厳しい法律です。無許可で営業を行なったり、不正手段で許可を取得した場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金もしくはその両方が課されます。
一度違反行為をしてしまうと風営法の欠格事由に該当し5年間新規申請ができなくなってしまいます。
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