１．メイドカフェ（メイド喫茶）とは？

①近年流行しているコンカフェの一種

メイド喫茶では、メイド服を着たウェイトレスが家事使用人のように振る舞い、客は主人として接待を受けます。

特に男性に人気があり、「萌え萌えキュンキュン」などのパフォーマンスが特徴です。2019年以降、メイド喫茶と喫茶業が分離され、それぞれの市場が拡大しました。

さらに、メイド以外のテーマを取り入れたカフェが登場し、これらは「コンセプトカフェ」と呼ばれています。2021年現在、酒類を提供する「コンセプトカフェ&バー」なども増え、コンカフェという総称が広まっています。

ポイント：コンカフェとは

コンカフェとは、「コンセプトカフェ」の略称で、独特なテーマを持つ飲食店を指します。

店内の装飾やメニュー、スタッフの衣装や接客スタイルも、そのテーマに統一されています。
カフェという名前がついていますが、喫茶店としてお酒を提供しない店舗もあれば、バーを兼ねてアルコールを提供するお店も存在します。

コンカフェには、フライトアテンダントやメイド、執事などの職業系コスプレ系、猫カフェのような動物系、天使と悪魔などの架空生物や、アニメや漫画とのコラボを展開するタイプなど、多彩なスタイルがあります。

アイデア次第で、無限に広がるビジネスモデルとも言えるでしょう。

コンセプトカフェに関しては過去の記事で解説していますので、下記からご覧下さい。

②メイドカフェの法的な立ち位置

メイドカフェの法的な立ち位置について考えていきましょう。
よく見られるメイドカフェのサービスは

が挙げられるでしょうか。

ポイント：上記のような「接待」行為があるなら風俗営業許可が必要

上記のようなサービスは、特定の客と会話しながら一緒に飲食を楽しむ行為となるので、「接待行為」として風俗営業法の対象です。
メイドカフェは風俗営業の1号許可（社交飲食店）というのに該当します。

お昼でも夜でも、カウンター越しでも本来関係ありません。
一緒に飲食するなど、一定時間特定のキャストと会話をする時点で接待行為とみなされます。

よって、こうしたスタイルの営業は風俗営業許可が必要です。

ポイント：風営法は厳しい法律です。知らなかったでは済まされません。

接待が行われると摘発されるリスクがあります。
実際に福岡では深夜酒類提供飲食店で接待行為があることにより、風営法の無許可営業で摘発される例が後を立ちません。

風俗営業許可を受けずに営業した場合、2年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金、又は両方の刑罰が科せられます（風営法第3条、同49条）。

これら法律違反は知らなかったでは済まされません。

しっかりとルールを守った上で、お店を運営していくということが重要になります。

③メイドカフェであれば営業時間に左右されない店舗も

ポイント：日中営業するのであれば風営法許可取得のデメリットは少ない

一方で、メイドカフェの場合に、接待行為があるのであれば当然、風俗営業の1号許可を取得しなければなりません。
ここで先程のお酒の提供をメインとするコンカフェやガールバーの例と違って、メイドカフェの場合だと、夜間に営業する必要がないと考えるお店も多数存在します。

実際、日中カフェなどの飲食店として営業しているお店も多くあり、風俗営業許可を取得し、夜1０時ごろに閉店すれば、風営法に抵触することはありません。

２．メイドカフェの開業に必要な許可や届出

ご自身が開業したいメイドカフェのスタイルによって、必要な許可などが変わってきます。

①飲食店営業許可

飲食店営業許可は必須

飲食店営業許可は、通常の飲食店を開業するために必要なもので、保健所から許可証を取得すれば、店舗で調理した料理の提供や、午前0時までの酒類の提供が可能となります。

複数の店舗を別の場所で開業する場合は、それぞれの店舗で個別に申請が必要です。

ポイント：飲食店を開業する流れとは

飲食店を開業する流れは上記の通りです。
もう少し詳細を知りたい場合には、下記の記事で解説していますので、ご覧ください。

②深夜酒類提供飲食店営業開始届

深夜営業かつ酒類を提供するなら必須

ポイント：深夜酒類提供飲食店営業届＝深夜営業許可

深夜営業許可とは正式な名称ではありません。
「深夜酒類提供飲食店届」というには長すぎるので、「深酒」や「深夜営業許可」ということがあります。

午前0時から午前6時までの間に酒類を提供している飲食店は、管轄の警察署への届出が必要になります。

具体的には、下記の二つの点どちらにも該当する場合には、深夜酒類提供飲食店営業開始届を管轄の警察署に提出する必要があります。

これらの届出を提出しないまま営業すると、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出について詳しく知りたい方が下記の記事をご覧ください。

③風俗営業許可

取得することをオススメします

法律違反にならないように、下記のような接待行為を行うのであれば、風俗営業許可を取得することをお勧めします。

ポイント：メニュー表に記載するなら風営法許可が必要

例えば、２ショットチェキやスタッフの方にお酒を一緒に飲んでもらうことが、お店のサービスとなっていた場合、これらは「接待行為」に該当してしまうため、風営法許可が必要です。

ですから、これらのサービスをメニュー表に記載していない。いわゆる裏メニューとして営業している飲食店がほとんどです。
証拠に残らないから大丈夫と思われるかもしれませんがそうではありません。

繁華街だと所轄の警察が巡回にきていたり、他のお店に立ち入りに来た帰り等に見られる可能性や、他店の告発により摘発されてしまうこともあります。

接待行為を行うのであれば、風俗営業許可を取得することをお勧めします。

④特定遊興飲食店営業許可

夜間にライブショーなどを不特定多数の客に行う場合必要

特定遊興飲食店営業は、次のとおり定義されています。

ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業（ 客に酒類を提供して営むものに限る。）で、午前６時後翌日の午前０時前の時間 においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)

これはつまり下記のような条件全て満たす場合には、特定遊興飲食店営業許可が必要ということです。

営業者側が積極的に客を遊ばせたり楽しませる行為は「遊興」に該当する可能性が高く、逆に客が自主的に楽しむ場合は遊興には該当しません。

遊興という言葉は「遊び興じさせること」を指していますが、具体例としては次のものが掲げられています。

日中遊興させる行為があるなら、特定遊興飲食店営業許可が必要になりますので、注意しますよう。

３．まとめ

以上、メイドカフェの開業に必要な許可を解説しました。

ポイント：申請は慣れていないと時間がかかる申請です

風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。

ただでさえ許可が下りるまで55日間かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。

ポイント：開業の準備をしながら申請ができるでしょうか？

その間、
・お店の内装工事のお打ち合わせ
・ホームページやSNSでの集客の対応
・キャストの募集

など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか？

ポイント：風営法は厳しい法律です。

さらに風営法は厳しい法律です。無許可で営業を行なったり、不正手段で許可を取得した場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金もしくはその両方が課されます。
一度違反行為をしてしまうと風営法の欠格事由に該当し5年間新規申請ができなくなってしまいます。

そんなお悩みを持つあなたの代わりに当事務所が全て申請を代行いたします。

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