従業者名簿の備え付けは必須です!注意点や記載方法など解説

従業者名簿の備え付けは必須です!記載方法など解説

行政書士が解説

1.従業者名簿とは

従業者名簿の概要
ポイント:警察官の立ち入りで必ず確認される書類

警察官が店舗に立ち入る際、必ず確認される書類の一つが「従業者名簿」です。
これは、直接雇用だけでなく、業務委託などで営業所に従事するすべての方を対象とする重要な書類です。

風俗営業等を規制する法律では、従業者名簿の作成・管理が義務付けられていますが、もし、従業者名簿に不備がある場合、以下のような重い罰則が科される可能性があります。

従業者名簿に不備がある場合の罰則など
  • 罰則
    • 風営法第53条に基づき、100万円以下の罰金
  • 行政処分
    • 10日以上80日以下の営業停止命令(通常20日間が基準期間)

風営法の適用を受ける店舗を運営する方は、従業者名簿の適切な管理を含め、法令違反のリスクに対して十分に備えた運営を心がけましょう。

②従業者名簿が必要な店舗の種類

風営法では、以下の業態で従業者名簿の作成と備え付けが義務付けられています。

第五章 監督
第三十六条 従業者名簿

風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者、店舗型電話異性紹介営業を営む者、無店舗型電話異性紹介営業を営む者、特定遊興飲食店営業者、第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者及び深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く。)を営む者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、営業所ごと(無店舗型性風俗特殊営業を営む者及び無店舗型電話異性紹介営業を営む者にあつては、事務所)に、従業者名簿を備え、これに当該営業に係る業務に従事する者の住所及び氏名その他内閣府令で定める事項を記載しなければならない。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-GOV法令検索より引用)

まとめると、下記の店舗が従業者名簿の作成と管理を必要とします。

従業者名簿が必要な店舗
  • 深夜酒類提供飲食店営業
    • バー、居酒屋、※ガールズバーなど
  • 風俗営業(1~5号営業)
    • 社交飲食店(キャバクラ・スナック等)、マージャン店、ゲームセンター等
  • 特定遊興飲食店営業
    • クラブ、DJバー、ライブハウスなど
  • 性風俗関連特殊営業
    • デリバリーヘルス、アダルトショップ、ヘルス、ラブホテル、テレホンクラブなど

これらの店舗に該当する場合、従業者名簿を作成し、営業所に備え付けておくことが必要です。

2.従業者名簿の管理方法

①従業者名簿の書式

法令に定められている従業者名簿に最低限記載が必要な項目は下記のとおりです。

第二十五条(従業者名簿の記載事項)
法第三十六条の内閣府令で定める事項は、性別、生年月日、採用年月日、退職年月日及び従事する業務の内容とする。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類に関する内閣府令
(e-GOV法令検索より引用)

まとめると下記の内容です。

従業者名簿に最低限必要な記載項目
  1. 住所
  2. 氏名
  3. 生年月日
  4. 性別
  5. 採用年月日
  6. 退職年月日
  7. 従事する業務内容
ポイント:従事する業務内容の記載例

業務内容については簡単な内容で良いですが、何をするかわかるように記入をしましょう。例を挙げておきます。

  • 社交飲食店
    • 「客の注文を受け、客席まで配膳した後、引き続きお酌や会話などを行い、客をもてなす接待を提供する。」
    • 「特定少数の客の近くで談笑の相手となり、客の求めに応じて酒類等の飲食物 を提供する。」
  • 深夜酒類提供飲食店(ガールズバー)
    • 「客の注文を受けて飲み物を作り提供する※接待行為はNGですので注意しましょう」

②従業者名簿の保管方法
ポイント:作成・保管はパソコンでも可能

従業者名簿は、紙で保管する必要はなく、パソコンでの管理も可能です。
店舗内で、警察官の立ち入り検査があった際に、店長(管理者)が不在でも従業員がすぐに提示できる状態にしておく必要があります。

③従業者名簿に添付しておかないといけない書類

従業者名簿に添付しておかないといけない書類は下記のように法令で定められています。

ポイント:本籍地記載の住民票の写しを添付しておく

そして、本籍地が記載されている住民票の写しを従業員名簿に添付するようにしておきましょう。
ポイントは本籍地が記載されているということです。

パスポート(旅券)でも問題ありません。
パスポートについては本籍地の都道府県までしか記載されていませんがそれで問題ありません。
外国人の従業員の方はパスポートが一般的になるでしょう。

ポイント:嘘の申告に注意

従業員を採用する際に注意すべき点の一つは、経歴を偽ってアルバイト応募をする人がいる可能性があることです。風営法に関連する店舗は、高時給で働ける点が魅力とされるため、採用時に問題が発生しやすい業種です。

万が一、社交飲食店(深夜酒類提供飲食店の場合は22時以降)で、18歳未満の者を雇用してしまった場合、店舗は以下のような法律違反に問われるリスクがあります。

  1. 風営法違反
  2. 児童福祉法違反
  3. 労働基準法違反

これらの罰則が併科される可能性があり、最悪の場合、店舗運営の継続が困難になることも十分考えられます。

そのため、採用時には以下の点を徹底する必要があります

ポイント:顔写真付きの身分証明書の掲示をしてもらう

キャスト募集の面接時に住民票を持ってきてもらったは良いものの、その住民票が姉のもので、確認したら18歳未満であったということは珍しくない話です。

そのような問題が後から発覚しないように、本人確認ができる書類は提示してもらうべきです。

  • 従業員名簿作成時に住民票のコピーだけでなく、顔写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)を必ず提示してもらう。
  • 顔写真付きの身分証がない場合は、その理由を記録し、別途確認資料を保管しておく。
  • 面接時に少しでも疑念が生じた場合は、本人の家族に電話確認を行う。
  • 誓約書を書かせる

慎重すぎると感じるかもしれませんが、店舗を守るためにはこれらの確認作業が欠かせません。法令遵守を徹底し、適切に管理を行いましょう。

3.まとめ

以上、従業者名簿についてを解説いたしました。

ポイント:申請は慣れていないと時間がかかる申請です

風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。

ただでさえ許可が下りるまで55日間かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。

ポイント:開業の準備をしながら申請ができるでしょうか?

その間、
・お店の内装工事のお打ち合わせ
・ホームページやSNSでの集客の対応
・キャストの募集

など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか?

ポイント:風営法は厳しい法律です。

さらに風営法は厳しい法律です。無許可で営業を行なったり、不正手段で許可を取得した場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金もしくはその両方が課されます。
一度違反行為をしてしまうと風営法の欠格事由に該当し5年間新規申請ができなくなってしまいます。

そんなお悩みを持つあなたの代わりに当事務所が全て申請を代行いたします。

書類の作成

図面の作成

法律確認

【お酒の許認可専門】
みまもり行政書士事務所

にお任せください!

お気軽にお問い合わせください。092-725-2275受付時間 8:00-20:00 [ 土・日・祝日対応可 ]

お問い合わせ
LINEからもお問合せできます
併せて読みたい記事
詳細はこちらをクリック
お問い合わせは下記から

お気軽にお問い合わせください。092-725-2275受付時間 8:00-20:00 [ 土・日・祝日対応可 ]

お問い合わせ
LINEからもお問合せできます