深夜営業許可と風営法許可の二重取得はできる?

深夜営業許可と風営法許可の二重取得はできる?

深夜酒類提供飲食店営業について解説

1.深夜営業許可と風営法許可の二重取得はできるのか

風俗営業許可と深夜営業許可を両方ともダブルで取得することができれば、最強なのでは?と考えられる方も多いのではないでしょうか?

確かに両方を2重取得が認められれば、深夜0時(営業延長地域では1時)までは風俗営業許可で接待行為を伴う飲食店として運営し、その後は深夜酒類提供飲食店として、営業することが可能です。

これら接待行為もしつつ深夜営業もするということは可能なのでしょうか?

2.法律的にはできるが、実質的には難しい

ポイント:営業を厳密に区別すれば可能だが現実は・・・

風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業開始届が同時に受理される場合もなくはありません。

その条件は、営業を厳密に区別することです。具体的には次のような営業方法が求められます。

下記の営業方法を守れば可能
  • 風俗営業終了後に一旦閉店
    • 深夜0時(延長地域では1時)に風俗営業を終了し、一度完全に閉店する必要があります。
  • 客と従業員を退店させる
    • お客様は会計を済ませ、接客従業員も全員退店させます。従業員がそのまま残ることはできません。
  • 再開には30分以上の間隔を空ける
    • 風俗営業終了後、30分以上時間を空けた上で、従業員も入れ替え、深夜酒類提供飲食店として再開します。
  • 深夜営業中の接待行為は禁止
    • 深夜酒類提供飲食店として営業する間は、接待行為を行わず、風俗営業の従業員は客としても入店させません。

上記のような条件があるとはいえ、警察が懸念するのは、「風俗営業の従業員や客が深夜の営業中に残り、結局、接待行為が行われるのではないか」という点です。

表向きは深夜営業時間中は接待行為はしないとは言いますが、結局接待行為が行われることは見え見えであるため、現実的に厳しいということになります。

具体例を挙げるとすれば、

こんなお店なら両立できますが・・・
  1. キャバクラで女性が隣に座って会話してたのに、0時になった瞬間に席を立つ。
  2. スタッフがお会計のお願い
    「ここからは深夜酒類提供飲食店営業なので一旦会計をお願いします。一度お店を出ていただいて、30分後にお店に戻ってこられたら、バーが営業開始します。お酒の提供は続けますが、女性の接客はできません。その上、先ほどまでいた女性キャストはいません。それでもよければ再度お越しください。」
  3. 一度閉店して、全ての従業員が入れ替わる。お店の看板や内装を変更。30分後バーが営業開始(そもそも30分でここまでの準備ができるとは考えにくい)。先ほどまでキャバクラにいた客は別の場所で30分程度時間を潰して、再度来店。
  4. バースタッフ(先ほどのキャバクラとは別のスタッフ)
    「当店はバーとなりますので、女性の接客はありません。ひとりで楽しくお酒を楽しんでください」

いかがでしょうか?そんなお店見たことありません。
警察の立場からすると、そこまで徹底することは現実的に無理だから、最初から受理しないというスタンスです。

法的には、同じ場所で風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店の届出を両方行うことが絶対に禁止されているわけではありません。しかし、「実質的には不可能」と言うのが正しい表現でしょう。

ポイント:こんなお店ならできるかも

本当に別の店としてやるというパターンも中にはあるでしょう。

例えば、

  • 日中にメイドカフェを営業し、17時で営業終了
  • 従業員や看板、内装が全て総変わりし、21時からバー営業が開始

メイドカフェも接待行為があれば風俗営業許可が必要になりますので、上記のような二つのお店の営業であれば、現実的にあり得るでしょうから、警察に認めてもらえるを可能性はあるかもしれません。

ポイント:風営法は厳しい法律です。専門の行政書士にご相談を

風俗営業許可を受けずに営業した場合、2年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金、又は両方の刑罰が科せられます(風営法第3条、同49条)。

これら法律違反は知らなかったでは済まされません。

まずはぜひお酒に関する業務を専門としている行政書士までお問い合わせください。

3.まとめ

以上、深夜営業許可と風俗営業許可が両立できるか解説しました。

ポイント:申請は慣れていないと時間がかかる申請です

風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。

ただでさえ許可が下りるまで55日間かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。

ポイント:開業の準備をしながら申請ができるでしょうか?

その間、
・お店の内装工事のお打ち合わせ
・ホームページやSNSでの集客の対応
・キャストの募集

など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか?

ポイント:風営法は厳しい法律です。

さらに風営法は厳しい法律です。無許可で営業を行なったり、不正手段で許可を取得した場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金もしくはその両方が課されます。
一度違反行為をしてしまうと風営法の欠格事由に該当し5年間新規申請ができなくなってしまいます。

そんなお悩みを持つあなたの代わりに当事務所が全て申請を代行いたします。

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