飲食店を開業するために必要な書類をチェック

飲食店を開業するために必要な書類をチェック

飲食店営業許可について解説

1.飲食店を開業するためには

ポイント:飲食店を開業するなら許可がいる

飲食店営業許可は、通常の飲食店を開業するために必要なもので、保健所から許可証を取得すれば、店舗で調理した料理の提供や、午前0時までの酒類の提供が可能となります。

複数の店舗を別の場所で開業する場合は、それぞれの店舗で個別に申請が必要です。

ポイント:飲食店を開業する流れとは
飲食店を開業する流れ
  1. 飲食店の許可要件の確認と事前相談
  2. 申請書類を提出する
  3. 保健所による立入検査
  4. 許可証を受け取る
  5. 消防署に防火管理者を届け出る
  6. 営業開始

飲食店を開業する流れは上記の通りです。
もう少し詳細を知りたい場合には、下記の記事で解説していますので、ご覧ください。

詳細はこちらから

2.飲食店営業許可申請に必要な書類

飲食店営業許可申請に必要な書類は下記のとおりです。
今回は福岡県を例にして作成しております。

申請に必要な書類
  1. 営業許可申請書
    • 申請者の氏名・住所、店舗所在地、食品衛生責任者の氏名などを記入。様式は保健所や自治体HPで入手可能。
  2. 施設構造と設備図面
    • 調理台、客席、トイレ、更衣室などの設備配置を詳細に示す図面を、施工業者から入手し提出。
  3. 付近の見取り図
    • 営業するお店の場所がわかる地図
  4. 食品衛生責任者の資格証明
    • 資格証明書や食品衛生責任者手帳などの原本または写しを提出。
  5. 水質検査成績書
    • 水道水以外の水を使用する場合に提出。検査は直近1年以内の成績書が必要。
  6. 登記事項証明書(法人のみ)
    • 法人が申請する際に必要。定款の目的に飲食店経営が記載されていない場合は、目的変更登記が必要。
①営業許可申請書

飲食店営業許可申請書は、管轄の保健所窓口や各都道府県の自治体ホームページから入手できます。保健所によって形式が違う場合があるので、必ず管轄内の保健所の用紙を使いましょう。

申請書 [PDFファイル/191KB](福岡県HPより)

表面
裏面

飲食店営業許可申請書の記載内容は以下の通りです。

記載する内容
  • 申請者の氏名・住所・連絡先(法人の場合は法人名と代表者名)
  • 営業施設の所在地・名称・連絡先
  • 食品衛生責任者の氏名と資格
  • 主に取り扱う食品や器具、包装容器
  • HACCPに基づく衛生管理の実施状況
  • 営業形態と担当者の連絡先
  • 過去の食品衛生法違反歴の有無
  • 使用水の種類(自動車営業の場合は登録番号)
  • 添付書類(設備図面や水質検査結果など)
  • 営業許可を受けている業種(許可番号と許可年月日)

など

施設構造と設備図面

飲食店営業許可を得るためには、飲食店の間取りがどういったものなのか、何の設備がどこにあるのかを図面で表す必要があります。

店舗内設備の概要や配置をリスト化した営業設備の大要を提出する必要がある場合もあります。

営業許可申請の手引き(申請書の書き方)(福岡市HPより引用)
ポイント:手書きでもOK

図面は手書きでもPCで作成してもどちらでも問題ありません。
施設全体の平面図に、設置している設備をすべて記載し、記入漏れや位置の変更等がないように名称を記入するようにしましょう。

付近の見取り図

付近の見取り図はその名の通り、営業開始する飲食店の場所を表す地図です。詳細に記入する必要はありませんが、最寄駅や目印となる建物などを入れ、だいたいの場所がわかるようにしましょう。

Googleマップなどのネット上の地図を利用するのが良いでしょう

食品衛生責任者の資格証明
ポイント:食品衛生責任者とは

飲食店の開業には、衛生管理のために店舗ごとに食品衛生責任者を配置することが義務付けられています。食品衛生責任者となるには、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。

食品衛生責任者になるための要件

  • 栄養士、調理師、製菓衛生師、食品衛生管理者などの資格を保有していること
  • 食品衛生責任者養成講習会を修了していること
  • その他、知事などが適当と認めた講習会を修了していること

食品衛生責任者になるための条件をクリアしたことを証明する書類が必要です。

例えば、食品衛生責任者養成講習会修了証、調理師免許証、製菓衛生師免許証、その他食品衛生管理者の資格を証明する学位証明書等があります。

ポイント:一般的には食品衛生責任者養成講習会を受講する

一般的には月1回程度行割れる食品衛生責任者養成講習会に申し込みし、受領する修了書を提出することが一般的です。
e-ラーニングを利用したネット上での受講も可能です。
受講費用はどちらも1万円かかります。

福岡県の場合は下記から申し込むことができます。

食品衛生責任者養成講習会の申し込みページ
⑤水質検査成績書(貯水槽や井戸水を利用する場合)
ポイント:水質検査成績書とは

飲食店で使用する水が適正かどうかを確認するための検査結果書。水道法に基づき、厚生労働大臣が登録した機関が検査を行い、飲食店営業許可申請時に保健所へ提出する書類のひとつです。日本の水道水は高い水質基準を満たしていますが、貯水槽や井戸水の場合、別途検査が必要となります。

ポイント:水質検査成績書が必要となるケース

次の場合、水質検査成績書の提出が義務付けられます。

  • 貯水槽を使用する場合
    • 高層ビルやマンションでは、水を屋上の貯水槽に貯め、そこから各階へ送水していることが多いです。こうした場合、貯水槽内の水が飲用に適しているかどうか、定期的な検査が必要です。
  • 井戸水を使用する場合
    • 井戸水は汚染されている可能性があるため、水質基準に適合しているかを確認する必要があります。トリクロロエチレンなどの有害物質が混入していることもあるため、飲用前に検査が不可欠です。

逆にいうと、水道水を直結して使用している場合、水質検査成績書の提出は不要です。一般的な住宅や低層ビルでは、水道管から直接水を供給しているため、このようなケースは多くあります。

ポイント:水質検査成績書の取得方法
  • 物件管理者から入手
    • 店舗の水が貯水槽または井戸水を使用しているかどうかは、大家さんや不動産業者に確認しましょう。もし貯水槽や井戸水を使っている場合、管理者が水質検査をしているはずなので、その成績書をもらうことができます。飲食店営業許可のための検査結果は1年以内のものである必要があります。
  • 検査機関へ依頼
    • 自ら水質検査を依頼する場合、厚生労働大臣が認可した検査機関に依頼します。例えば、東京都では「東京食品技術研究所」が推奨され、検査には約6,000円の費用と1週間程度の期間が必要です。
⑥登記事項証明書(法人のみ)
ポイント:必要なのは履歴事項全部証明書

飲食店営業許可を取得する事業主が法人の場合には会社の情報を示す、「登記事項証明書」=「履歴事項全部証明書」が必要です。

基本は法務局や登記所に直接請求する方が、簡単でスピードも早くて良いです。ちなみに住民票などのように、その地域の法務局でしか取れないというわけではありません。

どの法務局でも、登記事項証明書は取得できますので、最寄りの法務局に行きましょう。

登記事項証明書の取得方法

①法務局や登記所の窓口で直接請求する方法
②郵送による請求方法
③オンラインでの請求方法

(手数料)
書面での請求(窓口または郵送)… 600円
オンラインでの請求し、窓口で受け取る場合 … 480円
オンラインでの請求し、郵送で受け取る場合 … 500円

3.申請手数料

飲食店営業許可申請をする際には、申請手数料が必要です。
申請手数料は地域や、許可業種によって金額が変わります。

参考までに福岡市で飲食店営業を行う場合には16,600円必要です。
飲食店営業であれば16,000円〜20,000円の間くらいの申請手数料になるのが一般的です。

申請する地域の保健所のHPなどで事前に確認しておくようにしましょう。

4.まとめ

以上、飲食店営業許可の必要書類について解説しました。

当事務所はお酒に関する許可申請の代行を専門にしております。
ぜひお気軽にお申し付けください。

併せて読みたい記事
詳細はこちらをクリック
お問い合わせは下記から

お気軽にお問い合わせください。092-725-2275受付時間 8:00-20:00 [ 土・日・祝日対応可 ]

お問い合わせ
LINEからもお問合せできます