１．風俗営業許可店では料金の表示は必須です

ホストなどの社交飲食店などで「売掛」や「シャンパンタワー」など不透明な料金体系に起因するトラブルが近年増加しており、社会問題として注目されています。

こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、風営法を遵守する店舗では、顧客がサービス内容や料金を明確に把握できるよう、適切なシステムや料金（メニュー）の表示を行うことが重要です。風営法にもしっかりと料金の表示に関して明記されています。

第十七条（料金の表示）
風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、その営業に係る料金で国家公安委員会規則で定める種類のものを、営業所において客に見やすいように表示しなければならない。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律（e-GOV法令検索より引用）

ポイント：メニュー表は許可申請時の法定書類ではないが・・・

風風俗営業許可を取得するには、公安委員会に営業所の構造や設備に関する図面や書類を提出する必要があります。システム・料金（メニュー）表は法定書類ではありませんが、管轄の警察署によって提出が求められることがあります。

提出書類の一つである「営業の方法」には、料金や料金の表示方法について記載する必要があります。ただし、欄が限られているため、すべてのメニューを記載するのが難しい場合も少なくありません。

その場合は、文末に「詳細はメニュー表をご参照ください」といった文言を記載し、メニュー表を添付する形で対応します。

ポイント：どちらにせよ実地調査までにメニュー表が必要

申請から開業までには通常2ヶ月以上の期間があるため、申請時に正式なメニュー表がまだ用意できていないケースも珍しくありません。

しかし、審査の最終段階となる店舗の実地調査までには、正式なメニュー表を必ず用意しておく必要があります。

実地調査では、メニュー表が正しく掲示されているか、テーブルなどに適切に備え付けられているかといった点が詳細に確認されます。そのため、正式な内容での準備を整え、審査に臨むことが大切です。

とはいえ、どのようにメニュー表を作成すれば良いかわからない方も多いと思います。
今回の記事ではどのようにメニュー表を作成すれば良いか、掲示する内容や場所について解説していきます。

２．料金表示のルール

①料金表を表示する場所

料金表の表示方法については、風営法第17条で「国家公安委員会規則で定めるところによる」と規定されています。
その詳細は国家公安委員会規則第33条で以下の3点が明確に定められています。

第三十三条（料金の表示方法）
法第十七条の規定による料金の表示は、次の各号のいずれかの方法によるものとする。
　一　壁、ドア、ついたてその他これらに類するものに料金表その他料金を表示した書面その他の物（以下この条において「料金表等」という。）を客に見やすいように掲げること。
　二　客席又は遊技設備に料金表等を客に見やすいように備えること。
　三　前二号に掲げるもののほか、注文前に料金表等を客に見やすいように示すこと。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則（e-GOV法令検索より引用）

少しわかりやすく説明すると下記の内容になります。

ポイント：わかりやすいように料金を表示しておく

つまり、メニュー表は単に客席に置くだけでなく、看板や壁など店内の目につきやすい場所に掲示し、さらに注文時にも確認できるようにしておく必要があります。

②料金表に記載する項目

メニュー表には、業種ごとに記載する項目が決められています。
具体的には下記のとおりです。

ポイント：未成年者や20歳未満の対応について明記する

風俗営業店舗では、18歳未満の未成年者の立ち入りが原則禁止されています。
これは、青少年の健全な育成を妨げる行為を防止するための措置であり、当然ながら飲酒や喫煙も厳禁です。

さらに、20歳未満の客に酒やたばこを提供した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくはその併科という厳しい罰則が科される可能性があります。

以下のような文言をメニュー表に記載しておきましょう

なお、客が年齢を偽って飲酒した場合でも、違法行為が発覚すれば店舗側の責任が重く問われるケースが多いです。このため、これらの注意事項をしっかりと明記し、違法行為を防ぐための予防策を講じることが極めて重要です。

ポイント：曖昧な表現や誤解を招く表現はNG

メニュー表は、風営法に違反しないことはもちろん、誤解を招く表現や画像の使用は避ける必要があります。

曖昧な表現は料金トラブルを引き起こす原因となるだけでなく、メニュー表のデザインが「善良の風俗または清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備」に該当する場合、風営法違反として指摘を受ける可能性があります。

具体例として以下のような要素は避けましょう。

また、許可申請時に審査を受けたメニュー表の内容と大きく異なる記載や表現はトラブルの原因となりますので、注意しましょう

３．まとめ

以上、風俗営業における料金表やメニュー表について解説しました。

ポイント：申請は慣れていないと時間がかかる申請です

風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。

ただでさえ許可が下りるまで55日間かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。

ポイント：開業の準備をしながら申請ができるでしょうか？

その間、
・お店の内装工事のお打ち合わせ
・ホームページやSNSでの集客の対応
・キャストの募集

など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか？

ポイント：風営法は厳しい法律です。

さらに風営法は厳しい法律です。無許可で営業を行なったり、不正手段で許可を取得した場合には2年以下の懲役または200万円以下の罰金もしくはその両方が課されます。
一度違反行為をしてしまうと風営法の欠格事由に該当し5年間新規申請ができなくなってしまいます。

そんなお悩みを持つあなたの代わりに当事務所が全て申請を代行いたします。

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