ゲームセンターの機械を入れ替えたら届出は必要?変更届の期限・添付書類と、事前の承認が要るケース

専門行政書士が解説

ゲームセンターの機械を入れ替えたら届出は必要?変更届の期限・添付書類と、事前の承認が要るケース

ゲームセンター(風俗営業の5号営業)では、新しいクレーンゲームを入れる、古い機械を下げる、売り場の配置を変える、といった変更がよくあります。
機械の入れ替えで変更届が必要になるのは、区分ごとの台数が変わるとき(機械を増やす・減らす、別の区分の機械に替える)です。
同じ区分どうしで台数が変わらない入れ替えや、機械の位置を動かすだけなら、届出は要りません。

この記事では、風営法と警察庁の解釈運用基準をもとに、届出が必要な入れ替え・必要ない入れ替え、事前の承認が必要になるケース、変更届の期限と添付書類を解説いたします。

1.届出が必要な入れ替え・必要ない入れ替え

機械の入れ替えで届出が必要かを確認する

①分かれ目は「区分ごとの台数」が変わるかどうか

ポイント:区分ごとの台数が変わるときは変更届が必要です

警察庁の解釈運用基準では、機械(法令上は「遊技設備」)の入れ替えで届出が必要なのは、区分ごとの台数が変わる場合に限られています。
機械を増やす・減らすときや、別の区分の機械に入れ替えるときは、変更した後に警察署へ届け出ます。

(2) 軽微な変更
法第9条第3項第2号の規定による届出を要する構造又は設備の変更は、営業所の小規模の修繕又は模様替、食器棚その他の家具(作り付けのものを除く。)、飲食物の自動販売機その他これに類する設備の設置又は入替え、照明設備、音響設備又は防音設備の変更、遊技設備(ぱちんこ屋及び令第8条に規定する営業に係る遊技機を除く。以下1において同じ。)の増設又は交替(遊技設備の区分(施行規則別記様式第1号の許可申請書その2(B)又はその2(C)の遊技設備の区分)ごとの数の変更がある場合に限る。)等である。
(3) 届出を要しない変更
次に掲げる構造又は設備の変更((2)に該当するものを除く。)については、法第9条第3項の届出を要しない。
① 軽微な破損箇所の原状回復
② 照明設備、音響設備等の同一の規格及び性能の範囲内で行われる設備の更新
③ 法第2条第1項第5号の営業における遊技設備のソフトウェアのみの入替え及びそれに伴う操作部分の変更
④ 遊技設備の位置の変更
⑤ 営業所内の見通しを妨げない程度の軽微な椅子、テーブル等の配置の変更

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準(警察庁・令和8年7月1日)第17の1より引用

ここでいう「区分」は、許可申請書の、遊技設備の台数を書く欄の区分で、次の5つです。

  • スロットマシン等(メダル落としなど、メダルの枚数で結果が出るメダルゲーム機もここに入ります)
  • テレビゲーム機
  • フリッパーゲーム機
  • ルーレット台等
  • その他の遊技設備(クレーンゲームなど、景品・物品で結果が出る機械はここに入ります)

それぞれ、テーブル型とその他の型に分けて台数を書く形になっています。
同じ区分の中でテーブル型とその他の型を入れ替える場合の扱いは、解釈運用基準からははっきりしないため、管轄の警察署に確認してください。

なお、法律では、営業所の構造や設備を変えたときの手続きを2つに分けています。
客室の広さが変わるなどの大きな変更は、変更する前に公安委員会の承認を受けます(変更承認申請。2章で解説します)。
機械の入れ替えのような軽微な変更は、変更した後に届出書を出します(変更届)。

(構造及び設備の変更等)第九条
風俗営業者は、増築、改築その他の行為による営業所の構造又は設備の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。第五項において同じ。)をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、あらかじめ公安委員会の承認を受けなければならない。
(第二項 略)
3 風俗営業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、公安委員会に、内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 第五条第一項各号(第三号及び第四号を除く。)に掲げる事項(同項第二号に掲げる事項にあつては、営業所の名称に限る。)に変更があつたとき。
二 営業所の構造又は設備につき第一項の軽微な変更をしたとき。
(第四項以下 略)

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-GOV法令検索より引用)

②ケース別の早見表

ポイント:同じ区分・同じ台数の入れ替えと、位置の変更は届出不要です

よくある変更を、手続きごとにまとめると次のとおりです。

変更の内容手続き
機械を増やす・減らす(区分ごとの台数が変わる)変更届(変更後1か月以内)
別の区分の機械に入れ替える
(例:テレビゲーム機を下げてクレーンゲームを入れる)
変更届(変更後1か月以内)
同じ区分の機械どうしの入れ替えで、区分ごとの台数が変わらない届出は不要
機械の位置を動かすだけ届出は不要
ソフトウェアだけの入れ替え(それに伴う操作部分の変更を含む)届出は不要
照明設備・音響設備・防音設備の変更
(同じ規格・性能の設備への更新を除く)
変更届(変更後10日以内)
客室の広さや間仕切りが変わる(棚で区切ったバックヤードなど)事前の変更承認申請(2章)

※警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」第17の1(2)・(3)によります。同じ区分・同じ台数の入れ替えは、届出が必要な入れ替えが「区分ごとの数の変更がある場合に限る」とされているため、届出の対象になりません。期限は風営法施行規則20条2項によります。

位置を動かすだけ、同じ区分どうしの入れ替えだけでも、一緒に台数が増減したり、間仕切りを置いたりすれば、届出や承認が必要です。
入れ替えを何回かに分けて行うと、許可を受けたときや前回の届出のときから区分ごとの台数がいくつ変わったのか、分からなくなりがちです。
入れ替えのたびに、機械の一覧と区分ごとの台数を記録しておきましょう。
判断に迷うときは、変更する前に管轄の警察署(生活安全課)に確認しておくと安心です。

2.客室の広さや間仕切りが変わると事前の承認が必要

営業所の平面図を確認する

①バックヤード・景品置き場・カウンターの変更に注意

ポイント:機械の入れ替えと一緒に起きやすい変更です

機械の入れ替えそのものは軽微な変更でも、一緒に行う工事の内容によっては変更する前に承認が必要になります。
承認が必要な変更は、内閣府令で次の4つと決められています。

(風俗営業の営業所の構造及び設備の軽微な変更)第二条
法第九条第一項の内閣府令で定める軽微な変更は、営業所の構造及び設備に係る変更のうち、次に掲げる変更以外の変更とする。
一 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十四号に規定する大規模の修繕又は同条第十五号に規定する大規模の模様替に該当する変更
二 客室の位置、数又は床面積の変更
三 壁、ふすまその他営業所の内部を仕切るための設備の変更
四 営業の方法の変更に係る構造又は設備の変更

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令(e-GOV法令検索より引用)

ゲームセンターで特に気をつけたいのは、2号の「客室の床面積の変更」と、3号の「営業所の内部を仕切るための設備の変更」です。
たとえば、次のような変更は承認が必要になることがあります。

  • 売り場の一角を棚やラックで区切って、景品や在庫を置くバックヤードにする(客室の面積が減る)
  • カウンターや景品の置き場所を新設・撤去して、客室の面積が変わる
  • 壁やパーティションを立てる・撤去する

承認を受けずにこれらの変更をすると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(両方科されることもあります)の対象です(風営法51条1号)。
承認の申請には客室の面積を計算した求積図などが要り、承認まで日数もかかります。
※特例風俗営業者の認定を受けている場合は、事前の承認ではなく、変更した後の届出になります(風営法9条5項)。

変更承認申請の流れと、届出との違いについては、下記の記事で詳しく解説しております。

変更承認申請と変更届の違い|承認が要る改装と届出
詳細はこちらから

②客室の面積を元に戻して届出で済ませた例

ポイント:工事の前に手続きを確認するのが近道です

当事務所がお手伝いしたゲームセンターでも、機械の入れ替えと一緒に、売り場の端をラックで区切ってバックヤードにしていたことが分かりました。
このままでは客室の面積が減るため、変更承認申請が必要でした。

お店と相談した結果、バックヤードを撤去して客室の面積を元に戻し、区分ごとの台数が変わる機械の入れ替えだけを変更届で出すことになりました(届出には、新しい配置図も付けています)。
届出は管轄の警察署で受理されています。

承認が必要な変更をしてから気づくと、元に戻す工事をするか、承認の手続きをして日数を待つことになります。
棚や間仕切りを置く工事を予定しているときは、工事の前に、承認と届出のどちらになるかを確認しておきましょう。

3.変更届の出し方(期限・様式・添付書類)

変更届の書類を作成する

①期限は変更してから1か月以内(照明・音響は10日以内)

ポイント:入れ替えが終わった日から1か月以内に出します

区分ごとの台数が変わる変更の届出は、変更した日から1か月以内に、公安委員会あての届出書を、営業所を管轄する警察署に出します。
照明設備・音響設備・防音設備を変えたときは、10日以内です。

(軽微な変更等の届出等)第二十条
(第一項 略)
2 前項の届出書の提出は、法第九条第三項第一号に係る届出書にあつては同号に規定する変更があつた日から十日(当該変更が法人の名称、住所、代表者の氏名又は役員の氏名若しくは住所に係るものである場合にあつては、二十日)以内に、同項第二号に係る届出書にあつては同号に規定する変更があつた日から一月(当該変更が照明設備、音響設備又は防音設備に係るものである場合にあつては、十日)以内にしなければならない。
(第三項以下 略)

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(e-GOV法令検索より引用)

届出をしなかったり、うその内容で届け出たりすると、30万円以下の罰金の対象です(風営法56条3号)。
入れ替えの作業が何日かに分かれるときは、届出書に変更した日ごとに分けて書く形になっています。

②様式と添付書類

ポイント:届出書のほか、台数や配置が分かる書類を付けます

様式は変更届出書(様式第11号)です。
福岡県の様式は、福岡県警察「風俗営業等関係申請・届出様式」からダウンロードできます。
届出書には、変更年月日、変更事項(新・旧)、変更の事由を書きます。

添付書類は、法令では「変更事項に係る書類」とされていて、変更の内容によって変わります。
当事務所が機械の入れ替えを届け出たときは、次の書類を付けました。

  • 遊技設備の台数表(区分ごとの変更前・変更後の台数)
  • 機械の一覧(機械の番号・機種名・区分)
  • 料金の一覧(機種ごとの1回の料金)
  • 新しく入れた機種の写真
  • 機械の配置図(営業所の平面図に、機械の位置と番号を書き込んだもの)

警察署によって求められる書類が違うこともあるため、事前に確認してください。
特に配置図は、前回の届出の図面と比べて、どの機械が増えた・減ったのかが分かるように作ると、確認がスムーズに進みます。
料金の一覧は、機械の資料やお店の料金表で確かめてから作ります。

4.まとめ

以上、ゲームセンターの機械を入れ替えたときの届出について解説いたしました。
機械の入れ替えで変更届が必要になるのは、区分ごとの台数が変わるときで、変更してから1か月以内に警察署へ届け出ます。
同じ区分どうしで台数が変わらない入れ替えや、機械の位置を動かすだけなら届出は要りませんが、棚で区切ってバックヤードを作るなど、客室の広さや間仕切りが変わる場合は、変更する前に承認が必要です。
入れ替えや改装を予定しているときは、工事の前にどちらの手続きになるかを確認しておきましょう。

ポイント:申請は慣れていないと時間がかかる申請です

風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。

ただでさえ許可が下りるまで標準処理期間55日(土日祝日を除く)かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。

ポイント:開業の準備をしながら申請ができるでしょうか?

許可が下りるまでの間、

  • お店の内装工事のお打ち合わせ
  • ホームページやSNSでの集客の対応
  • キャストの募集、面接

など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか?

ポイント:風営法は厳しい法律です。

さらに風営法は厳しい法律です。
2025年に風営法は改正され、無許可で営業を行なった場合に

5年以下の拘禁刑

もしくは1千万円以下の罰金
(法人の場合は最大3億円の罰金)

罰則が科されます


さらに、無許可営業などで刑に処せられると風営法の欠格事由に該当し、5年間は新たに許可を受けられなくなってしまいます。

お忙しいあなたの代わりに当事務所が全て申請を代行いたします。

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