【風営法】お店をやめるときの手続きは?許可証の返納と深夜酒類の廃止届

専門行政書士が解説

【風営法】お店をやめるときの手続きは?許可証の返納と深夜酒類の廃止届

お店を閉めることになったとき、開業のときほど手続きを意識する方は多くありません。
しかし、風営法の許可を受けている、または届出をしているお店は、やめるときにも警察への手続きが必要です。

キャバクラ・スナック・ガールズバーなどで風俗営業の許可を受けている場合は、許可証を警察に返納する必要があります。
深夜0時以降にお酒を出すバーなどで深夜酒類提供飲食店営業の届出をしている場合は、廃止届を出します。

この記事では、風俗営業や深夜酒類提供飲食店営業をやめるときに必要な手続きを、条文と福岡県警察の様式をもとに解説いたします。

1.風俗営業を廃業するときは許可証を返納します

許可証の返納理由書を書く

①営業をやめたら許可証を返納する義務があります

ポイント:返納した時点で許可はなくなります

許可を受けている方が風俗営業をやめたときは、遅滞なく、許可証を公安委員会に返納しなければならないと風営法に定められています。
営業をやめて許可証を返納すると、その時点で許可は効力を失います。

(許可証の返納等)第十条
許可証の交付を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、遅滞なく、許可証(第三号の場合にあつては、発見し、又は回復した許可証)を公安委員会に返納しなければならない。
一 風俗営業を廃止したとき(当該風俗営業につき第七条の三第一項の承認を受けたときを除く。)。
二 許可が取り消されたとき。
三 許可証の再交付を受けた場合において、亡失した許可証を発見し、又は回復したとき。
2 前項第一号の規定による許可証の返納があつたときは、許可は、その効力を失う。
(以下略)

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-GOV法令検索より引用)

営業をやめたのに許可証を返納しなかった場合は、30万円以下の罰金の対象になります(風営法第56条第4号)。

「しばらく休むだけ」のつもりで許可証を返納すると、許可そのものがなくなります。
営業を再開するときは、新規の許可申請からやり直すことになりますので、休業なのか廃業なのかをはっきりさせてから手続きをしてください。
一方で、返納しなければ許可がいつまでも残るわけでもありません。
正当な事由がないのに6か月以上営業を休止していると、許可の取消しの対象になります(風営法第8条第3号)。

②返納は10日以内に、返納理由書を添えて警察署へ

ポイント:返納の期限と出し方は施行規則に書かれています

法律の「遅滞なく」をもう少し具体的にしているのが施行規則です。
返納の理由が生じた日から10日以内に、返納理由書を添えて、営業所の所在地を管轄する警察署長を経由して返納します。

(許可証の返納)第二十三条
法第十条第一項又は第三項の規定による許可証の返納は、当該事由の発生の日から十日以内に、当該許可証に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由してしなければならない。この場合において、一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所について許可証を返納するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して返納すれば足りる。
2 前項の規定により返納する許可証には、別記様式第十二号の返納理由書を添付しなければならない。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(e-GOV法令検索より引用)

福岡県警察では、返納理由書は「許可証・認定証の返納理由書(様式第12号)」として、風俗営業等関係申請・届出様式のページに掲載されています。
様式の備考では、営業をやめたことが理由の場合は、営業譲渡、営業の方法の変更、営業所の取壊しなど、具体的な内容を書くよう求められています。
「閉店のため」の一言ではなく、なぜやめたのかが分かるように書きます。

※出典:風俗営業等関係申請・届出様式(福岡県警察)

なお、お店を他の人に譲る場合でも、風俗営業の許可は譲り渡せません。
譲る側は許可証を返納し、譲り受ける側があらためて許可を取ることになります(相続・合併・分割で公安委員会の承認を受けた場合を除きます)。

2.深夜酒類提供飲食店をやめるときは廃止届を出します

深夜営業のバーを閉める

①廃止届を警察署へ提出します

ポイント:届出制なので返納する許可証はありません

深夜0時以降にお酒を出す飲食店(深夜酒類提供飲食店営業)は、許可ではなく届出の制度です。
そのため返納する許可証はありませんが、営業をやめたときは廃止届を出すことが風営法で義務付けられています。

(深夜における酒類提供飲食店営業の届出等)第三十三条
(第一項 略)
2 前項の届出書を提出した者は、当該営業を廃止したとき、又は同項各号(同項第二号に掲げる事項にあつては、営業所の名称に限る。)に掲げる事項に変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)があつたときは、公安委員会に、廃止又は変更に係る事項その他の内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。
(以下略)

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-GOV法令検索より引用)

提出の期限は施行規則で定められていて、廃止の日から10日以内に届出書を出します。

※根拠:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則 第104条・第42条第2項(e-GOV法令検索)

提出先は、営業所を管轄する警察署です。
福岡県警察の様式では「廃止届出書(様式第18号)」を使い、廃止年月日と廃止の事由を書く欄があります。
廃止届を出さなかった場合も、30万円以下の罰金の対象になります(風営法第56条第3号)。

なお、深夜酒類の届出で営業していたお店が、接待をするために風俗営業の許可を受けて業態を変える場合も、深夜酒類の廃止届が必要です。
廃止届と許可申請の順番は警察署によって扱いが異なることがありますので、事前に管轄の警察署へご確認ください。

3.お店をやめるときの注意点

お店をやめるときの注意点

①経営者の死亡・法人の解散では返納する人が決まっています

ポイント:本人がいなくても返納の義務は残ります

風俗営業者が亡くなった場合や、法人が解散・合併で消滅した場合は、誰が許可証を返納するのかが風営法で決められています。

  • 亡くなった場合:同居の親族または法定代理人
  • 法人が合併以外の理由で解散した場合:清算人または破産管財人
  • 法人が合併で消滅した場合:合併後の法人の代表者

(許可証の返納等)第十条
(第一項・第二項 略)
3 許可証の交付を受けた者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、当該各号に掲げる者は、遅滞なく、許可証を公安委員会に返納しなければならない。
一 死亡した場合(相続人が第七条第一項の承認の申請をしなかつた場合に限る。) 同居の親族又は法定代理人
二 法人が合併以外の事由により解散した場合 清算人又は破産管財人
三 法人が合併により消滅した場合(その消滅までに、合併後存続し、又は合併により設立される法人につき第七条の二第一項の承認がされなかつた場合に限る。) 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-GOV法令検索より引用)

ただし、相続人や合併後の法人が営業を続けたい場合は、公安委員会の承認を受けて許可を引き継げる制度があります。
詳しくは「風俗営業者を相続した場合の注意点」「法人の風俗営業許可の承継はできる?」の記事をご覧ください。

②処分逃れの返納は5年間許可を受けられません

ポイント:「先にやめてしまえば処分を避けられる」は通用しません

法令違反などで許可を取り消されると、取消しの日から5年間は新たに許可を受けられません(風営法第4条第1項第6号)。
それなら処分の前に自分から廃業して許可証を返してしまえばよいのでは、と考える方もいるかもしれませんが、風営法はこれを許していません。
取消処分の聴聞が公示されたあとや、警察の立入りがあったあとの一定の期間に許可証を返納した場合も、返納の日から5年間は許可を受けられないと定められています(廃止について相当な理由がある場合を除きます)。

(許可の基準)第四条
公安委員会は、前条第一項の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、許可をしてはならない。
(第一号~第七号 略)
八 次のいずれかに掲げる期間内に第十条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で当該返納の日から起算して五年を経過しないもの
イ 第二十六条第一項の規定による風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間
ロ 第三十七条第二項の規定による風俗営業の営業所への立入りが行われた日から聴聞決定予定日(当該立入りの結果に基づき第二十六条第一項の規定による風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日として国家公安委員会規則で定めるところにより公安委員会が当該立入りを受けた者に当該立入りが行われた日から十日以内に特定の日を通知した場合における当該特定の日をいう。)までの間
(以下略)

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-GOV法令検索より引用)

このうち、警察の立入りのあとに返納した場合(ロ)は、令和7年11月28日に施行された改正で加わったものです。

③保健所の飲食店営業許可は別に廃業届が必要です

ポイント:警察と保健所の両方に手続きします

風俗営業も深夜酒類提供飲食店営業も、お店を開くときは保健所の飲食店営業許可もあわせて取っています。
警察への返納・廃止届とは別に、保健所にも廃業の届出が必要ですので、忘れずに出してください。

④返納・廃止届はe-Govからも出せます

ポイント:許可証の現物は警察署へ出します

許可証の返納や深夜酒類の廃止届は、e-Govからオンラインで出すこともできます。
ただし、許可証の返納は最終的に許可証そのものを警察署へ出す必要があります。
風営法の手続きのオンライン申請について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

【風営法】許可申請・深夜酒類の届出はオンラインでできる?結局、警察署に行く必要がある?
詳細はこちらから

4.まとめ

以上、風俗営業・深夜酒類提供飲食店営業をやめるときの手続きについて解説いたしました。
風俗営業をやめたときは、10日以内に返納理由書を添えて許可証を警察署へ返納します。
返納した時点で許可は効力を失いますので、休業なのか廃業なのかを先にはっきりさせてください。
深夜酒類提供飲食店営業をやめたときは、10日以内に廃止届を警察署へ提出します。
取消処分を逃れるための返納は5年間の欠格になること、保健所への廃業の届出も必要なことにもご注意ください。

ポイント:申請は慣れていないと時間がかかる申請です

風俗営業許可や深夜営業許可は正確な申請書類の記述はもちろんのこと、図面の作成が必要です。作成には時間がかかるのもちろんのこと、補正があれば何度も管轄警察署に足を運ばないといけません。

ただでさえ許可が下りるまで標準処理期間55日(土日祝日を除く)かかる風営法許可、オープンを急いでいるのであれば正確な申請が必要です。

ポイント:開業の準備をしながら申請ができるでしょうか?

許可が下りるまでの間、

  • お店の内装工事のお打ち合わせ
  • ホームページやSNSでの集客の対応
  • キャストの募集、面接

など並行して行わなければなりません。そんなお時間が作れますか?

ポイント:風営法は厳しい法律です。

さらに風営法は厳しい法律です。
2025年に風営法は改正され、無許可で営業を行なった場合に

5年以下の拘禁刑

もしくは1千万円以下の罰金
(法人の場合は最大3億円の罰金)

罰則が科されます


さらに、一度違反行為をしてしまうと風営法の欠格事由に該当し、5年間新規申請ができなくなってしまいます。

お忙しいあなたの代わりに当事務所が全て申請を代行いたします。

書類の作成

図面の作成

法律確認

【風俗営業許可専門】
みまもり行政書士事務所

にお任せください!!

お気軽にお問い合わせください。092-725-2275受付時間 8:00-24:00 [ 土・日・祝日対応可 ]

お問い合わせ
LINEからもお問合せできます

併せて読みたい記事

福岡の風俗営業許可申請代行はこちら
福岡の風俗営業許可申請代行はこちら

お問い合わせは下記から

お気軽にお問い合わせください。092-725-2275受付時間 8:00-24:00 [ 土・日・祝日対応可 ]

お問い合わせ
LINEからもお問合せできます